南木曽へおひつを探しに

ご縁があって「南木曽木材産業株式会社」へ行って来ました。社長である柴原薫さんは木曽ヒノキの家の施工をしている建設会社を経営されていますが、全国の神社やお寺の修復などもされているようです。彼は伊勢神宮の御神木を切るという大役をされている方です!

普段、私は羽釜で炊いたご飯を木曽の曲げわっぱ弁当箱に入れています。丸めんぱと言いますが、このお弁当箱は「おひつ」として使うことができるので非常に便利です。すり漆仕上げで、その抗菌作用で弁当箱の内側のカビを防ぎます。そして何よりおひつに入れたご飯が驚くほど美味しくなるので、ぜひstudio482+でも取り扱いたいと思い、今日は柴原さんに相談しに行きました。

秋田杉の曲げわっぱはブランド化が成功して全国的にも有名になりましたが、木曽の曲げわっぱはそれがうまくできなかったために若い人たちが後を継がなくなり、曲げわっぱを作る人がいなくなってしまったそうです。秋田の曲げわっぱに決して劣っているわけではありませんが、ブランド化がうまくできなかったために今の現状があるようです。とても残念です。

柴原さんのご紹介で手塚英明さん(ちきりや手塚・万右衛門商店)のお店へ行き、いろいろお話を伺いましたが、後継者問題は深刻のようです。彼は漆塗りをしていますが、曲げわっぱの職人さんが数年前に他界して、いまだに新しい職人さんが見つからないので悩んでいるそうです。
お店に素晴らしい作品の数々が並んでいましたが、私が探しているのはおひつとして使えるお弁当箱。彼の作品はすり漆ではないのでそもそも用途が違うのです。(素敵なお店でした。写真を撮るのを忘れてしまった....。)

手塚さんがオススメしてくださった木曽のお店が1軒だけありました。息子さんが後を継いでいるので跡継ぎは心配ないらしい。何と!そのお店は私がおひつとして使っているお弁当箱を製作していお店でした。なーんだ、まわりにまわって、最初に戻った感じ、笑。
近い将来、studio482+で「おひつ曲げわっぱ弁当箱」が登場となるか....。ドキドキ。まだこの旅は終わっていないのだー。

今回は柴原さんや手塚さんにいろいろなお話を伺い、大変勉強になりました。お二人に感謝。
改めて工芸の世界は面白いなぁと感じた一日でした。

南木曽木材産業株式会社:http://www.nagiso.co.jp/

ちきりや手塚・万右衛門商店:http://www.chikiriya.co.jp/