2011-01-01から1年間の記事一覧

かぼちゃのムース

植物性ゼリーの素「アガー」を使ったムースです。寒天はカチンとした硬さがありますが、アガーは柔らかめに仕上がるので、プリンやゼリーを作るのに重宝します。 フンワリした、ソフトクリームのようなムースの食感を出せないかと試行錯誤を重ねてようやく完…

豆乳胡麻ラーメン

標高1650m、人里はなれた信州の山奥に暮らし始めてもうすぐ四半世紀になります。ここの冬は長く、寒く、春の雪解けまでは景色が灰色一色になり、すべてが凍りつきます。そんな中で一番食べたくなるのは土鍋料理。豆腐チゲ鍋、中華鍋、白菜鍋など、好き…

霧氷

霧氷は暗く、寒い冬の中で花が咲いたように明るく輝き、景色を一変させてくれます。太陽の暖かさで霧氷がハラハラと音を立てて落ちていく様を見ながら、氷点下10度の乾いた空気の中で散歩を楽しむというのは何とも贅沢な冬の過ごし方です。先日、現代音楽…

野菜餃子

「何が食べたい?」と夫に聞くと、真っ先に返ってくる答えがこの餃子。蓮根、キャベツ、椎茸、油揚げ、ニラetc….春はタケノコ、夏は茄子やズッキーニ、秋はカブ、季節の食材を入れて作ります。 焼き上がった熱々の餃子を皿にのせてヨ〜イドン。脇目も振らず…

ダルカレー

ダルカレー(豆カレー)で思い出すのは、25年ほど前に行ったネパールのトレッキングです。毎日、朝7時頃から10時間ほど歩き続け、たどり着いた簡素な山小屋でダルカレーや雑草入り中国製インスタントラーメン、時には石の入ったチャーハンを食べて、そ…

チョコチップ&アーモンドパウンドケーキ

3時のティータイムにお菓子がない!急いで焼き菓子を作ろうと、我が家にある製菓材料を探したところ、ストックしてあったのはスライスアーモンドとチョコチップだけ。初めはクッキーを作ろうかと思いましたが、それじゃ芸がない。思い浮かんだのはパウンド…

野菜バーグ

今までベジバーグはアメリカやフランスで何度も食べたことがありますが、その中でもとびきり美味しいベジバーグの思い出があります。それは北極圏に近い火山の国、アイスランドです。 空港から首都レイキャヴィクまでの道路には木は一本も生えておらず、岩で…

野菜のブイヤベース

何年も前のことですが、東京の某イタリアンレストランのシェフが、私たち夫婦のために作ってくださった野菜のブイヤベースが驚くほどの美味しさで、是が非でもこの味を再現したくなりました。その場で味を舌と頭にたたき込み、家に帰ってさっそく実験開始。…

写真撮影

一昨日、昨日と二日間、来年2月出版予定の料理本の撮影を行いました。たまご社の松成容子さん、旭屋出版の永瀬正人さん、カメラマンの後藤弘行さんが東京から来られ、二日間で24〜25品の料理を撮りました。私も大ハッスルして朝6時から準備をし、お手…

晩秋の月と木々

生い茂った緑の山も好きですが、葉が落ちて幹と枝だけになった木々の美しさは喩えようがないほどです。葉で隠れていた1本1本が自由に伸び、曲がり、そのどれもが完璧なバランスを描いているのが分かります。冬になると枝が霧氷で覆われて、ガラスの絵のよ…

パンプキンパイ

ある年のクリスマスシーズン、アメリカ滞在中にノースキャロライナに住んでいるの友人でオルガン奏者のドロシー・パパダコスさんの家に招かれました。アメリカのクリスマスは盛大で、あちこちの家のパーティーに毎日のように行き、たくさんのごちそうを口に…

ベンガルポテト

ヨギ(ヨガ行者)だった友人がある日、我が家に遊びに来たときに「ベンガルポテト」という料理を持ってきてくれました。彼が修行していた頃にヨガの先生に教わった料理なのだそうです。とても美味しかったので、口伝えで教えてもらったレシピをメモしたので…

南イタリアのチーズコロッケ

ソレント郊外、レモン農家のマチルダさんに教わったバジル入りチーズコロッケです。中に入れるチーズはどんなものでもよいのですが、イタリアのタレッジオやベルギーのシメイクラシックが私のお気に入りです。パン粉にパルメザンチーズを加えて、香ばしい味…

変わり卯の花

滋賀県の某豆腐料理のお店でいただいた卯の花にバジルが入っていました。これが何ともオツな一品。バジルがこんなに日本の味とマッチするなんて思いもよりませんでした。 さっそく我が家のキッチンで実験開始。卯の花を美味しく作るコツは多めの油で炒めるこ…

キノコピザ

ピザ生地の出来が全体の美味しさを左右します。ポイントは薄力粉と強力粉の配合と塩加減。イタリアで使われている粉に近づけるため、2種の粉を混ぜて使います。生地の塩気が足りないと全体の味が呆けてしまうため、塩気はしっかり付けます。パスタを茹でる…

シャカリ・コルマ

20代前半、初めて行った海外がインドの貧乏旅行でした。 インドの喧騒、劣悪な環境、人間と神様がごちゃまぜになったカオスの世界の中で、刺激的で辛い食事が続いて胃がヘトヘトに疲れ、にっちもさっちもいかなくなったときは、敗北した気分で三星ホテルの…

我が家のキッチン

我が家のキッチンを紹介します。イタリア・サルバラーニ社のシステムキッチンです。職人が2ヶ月かけて制作した、家具のようなキッチンです。「アントニオ」と命名しました。 男性的でシンプル。頑丈で見た目はちょっと気取ったところがあるけれど、とても使…

特別な日のガトーショコラ

今年2月、旭屋出版から「焼き菓子レシピノート」を出版させていただきましたが、その中のレシピ「ガトーショコラ」番外編です。 大切な人へ、特別な日のために焼くこのチョコレートケーキには、生地の中に裏ごししたラズベリージャム、アマレット、チョコレ…

バリ島コーンバーグ

バリ島に滞在中、カフェ主宰の料理教室に飛び込みで参加したことがあります。アメリカ、ヨーロッパなど、世界中から30人ほどの人達が集まり、実にインターナショナルな料理教室でした。午前中は参加者の自己紹介とバリ島の食材の説明でおしまい。これだけ…

うなぎもどき

「まるで骨があるみたい」 料理教室に参加した方の言葉です。嬉しかったですねぇ。しめた!と思いました。うなぎもどきは精進料理の中ではポピュラーな一品ですが、揚げる、網で焼く、タレを塗るなど、手間がかかりすぎて、あまり家庭では作る機会がありませ…

シンガポール焼きそば

シンガポールは東京23区と同じぐらいの大きさの共和国の中に中国人をはじめ、マレー人、インド人、アラブ人など、いろいろな民族が共存しています。自然林がないため、人工的に木が植えられていて、街はゴミひとつ落ちておらず、その光景は違和感があるほ…

ミネストローネ

イタリア・トスカーナ州の修道院の廊下を歩いていると、少しだけドアが開いている部屋がありました。そっと覗いてみると、それまで昼食を取っていた修道僧がちょうど去ったあとで、木のテーブルの上にはお皿やカトラリーが置かれた状態のままです。しんと静…