タルトタタン

一年ぶりにりんごのフランス焼き菓子「タルトタタン」を焼きました。このお菓子は手間も時間もかかるので「よし、作るぞ」という気持ちになるまで、りんごとずいぶんにらめっこ状態が続きましたが、重い腰を上げて作り出したら、もー、楽しくて、楽しくて。

タルトタタンの作り方は人によって様々ですが、美味しさの基準はりんごをカラメル状に焼き上げることでしょうか。私はりんごをまず炊飯器で2回炊いたあと、型に入れてオーブンで焼き、さらにタルト生地をのせてまた焼くという、4段階で火を入れます。その時間を合計すると150分! タルトタタンがパティスリーであまり売られていない理由が分かります。

今回は長野県小諸市にある宮嶋林檎園(化学肥料を極力使わず、有機堆肥で土作りをしているりんご園)の「浅間クチーナ」という料理用品種のりんごを使いました。宮嶋さんから「これが最後のクチーナです」と頂いた貴重なりんごです。大きさも味も紅玉に似ていますが、酸味と甘みのバランスがよく、深い味わいがあります。火を通すとすぐ柔らかくなるので、タルトタタンのように時間のかかるお菓子に最適です。今回初めてこのりんごを使いましたが、火を入れる時間も少なく、カラメル色が紅玉より濃くなりました。味は言うまでもなく最高です! こんなに美味しいタルトタタンを食べたのは初めてかも。宮嶋さん、ありがとう〜。