豆腐の土手鍋風

普段、味噌鍋はあまり作ることがありません。野菜と豆腐だけでは「土鍋で作る具だくさんの味噌汁」になってしまうからです。ですから我が家はもっぱら、にんにくやコチュジャンを使った韓国の「豆腐チゲ鍋」が定番です。
「豆腐の土手鍋風」は今年初めて作ったヒット作。濃厚で甘みのある味噌鍋です。白味噌赤味噌、日本酒、みりん、砂糖でまず「練り味噌」を作ります。これは田楽に利用する練り味噌ですが、これを土手鍋に使うのです。鍋にはシンプルに豆腐、長ねぎ、油揚げ、舞茸、椎茸、この5種類だけ。「牡蠣の土手鍋」は鍋の側面に味噌を塗って溶かしながら食べますが、食卓での作業が面倒なので、味噌はあらかじめ土鍋の中で溶かし入れます。細ねぎや生姜など、7種類の薬味で食べます。薬味、これは必須アイテムですね。単調になりがちな味がガラっと変わります。

余談ですが、この土鍋は「小太郎」と命名。本の写真撮影のために去年、購入した新入りです。インターネットで見つけた伊賀の土鍋ですが、そのやわらかな丸みにすっかり惚れ込んでしまい、実際に手に取って吟味したわけではないのに「購入する」の送信ボタンをポチっと押してしまいました。小太郎は横顔がとても美しいのです。鍋の色は灰白色で、白藍色が点々と混じっています。本当に美しいモノというのはシンプルで謙虚なフォルム。それでいて遠くからでも目立ちます。高価でしたが、いい買い物でした。一生ものです。

今日は雪から雨。荒れ模様です。4月だというのにとても寒く、一昨日の夜は−9度まで下がりました。小太郎の出番はまだまだありそうだわ。