ベイクド・ラタトゥユ

南フランス、プロヴァンス地方の小さな宿に泊まったのは、かれこれ9年ほど前になります。ローズマリーおばさんの作る家庭料理目当てに、ヨーロッパ中からたくさんの人が彼女の宿を訪れます。
夕食は8時半頃にスタート。滞在するお客さんとみんなで一緒にいただきます。私が一番印象に残っている料理は「ズッキーニの炒め物」。玉ねぎとズッキーニを炒めただけ、と説明されても唸ってしまうほどの美味しさでした。大げさかもしれませんが、家庭料理の真髄を見たような気がします。

ラタトゥユは南フランスの家庭料理です。雑に作ろうと思えばそれこそ簡単にできますが、丁寧に仕上げたいと思ったらとても時間がかかる料理です。今、気に入ってるのがこの作り方。トマト以外の野菜をオーブンで焼き、最後にガーリックオイルでトマトと野菜をさっと炒め煮すれば出来上がりです。時間も手間も短縮され、その上、何たって美味しい! 野菜の煮崩れがなく、パリッとした食感があります。ちなみにトマトは缶詰のホールトマトを使います。生トマトは味が薄かったり水っぽかったりと安定しませんが、ホールトマトはいつも同じ味。缶詰といってもイタリアのトマトだから美味しいのです。

今日はこのラタトゥユにショートパスタを和えて、いただきます〜